流産2

一度流産を経験すると反復して流産する確率は高くなるのでしょうか?

 

前回の流産、初期流産、反復流産について その1に引き続き、今回は「流産は繰り返し起きてしまうのか?」という事と、「何が習慣流産の原因になるのか」を考えていきます。

 

一度流産を経験してしまうと、「次の妊娠は本当に出産までたどり着けるのか?」という不安がつきまとうのは珍しくありません。流産のショックが大きく「次の妊娠が怖い」と心配している人が私の子宝カウンセリングに良くおみえになります。

 

私も一度流産を経験していますが、やはり「もう一度繰り返してしまうのではないか?」という思いが頭のどこかにあり、移植はしたいが何となく不安という時期がありました。

 

妊娠を望むけれども、同時に流産の心配が出てくるのは流産経験者であれば自然な事です。今回も流産について知り、流産に関する迷信や噂話に心を揺さぶられることの無いニュートラルな心を得ましょう!

 

流産を経験すると反復して流産する確率は高くなるのか?

はてな

1人でも生児がいれば流産を1回経験してもその後の流産率は上昇しない

1人でも赤ちゃんを出産していれば、流産を1回経験しても、その次の妊娠で流産する確率は12%と一般の流産率と変わりません。しかし、3~5回の流産を繰り返している場合は24~32%と上昇するという報告もあります。しかしそこで忘れてはいけないことは流産率は女性の年齢が高齢であれば上昇するという事です。40代での妊娠では流産率は約50%と確率は高くなります。

 

生児を得られないままに2回以上の流産後の流産率は35~45%に上昇する

一度も生児を得たことの無い場合は、2回以上の流産をすると、その後の妊娠で流産となる確率は約45%に上昇します。しかし逆に考えると、今まで一回も生児に恵まれていない反復流産経験者でも約55%が流産をしないということになります。

 

そして1度でも生児を得たことのある反復流産経験者はその後70%が流産をしないで出産することができるという報告があります。ですから、反復流産を経験しても決して落胆しないで、原因の検査とその結果に対して適切な対応をして子宝を望むことができるでしょう。

 

何が習慣流産の原因となるのでしょうか?

悩む男女

実は反復流産経験者の約50%は原因不明

習慣流産の原因には、母体の局所的(子宮奇形など)な問題が関わるもの、全身的(免疫疾患や糖尿など)な問題が関わるもの、また、胎児側に問題があるものなど様々な因子が関わっています。しかし、習慣流産の原因としてあげられている異常が健康な妊娠出産経験者にもみられることが多々あることから、どの問題が流産の本当の原因なのか確定することは簡単ではないといわれています。

 

習慣流産のリスクを上昇させると考えられる因子

習慣流産の原因は半分は不明と言われていますが、ホルモン異常、栄養異常、感染症、免疫異常、心理的因子、子宮奇形、子宮頸管無力症、などとの関りが高いと考えられています。妊娠初期の流産は受精卵の染色体異常によるものが多いですが、妊娠後期の流産は子宮の異常など母体側の問題が関わっていることが多いのです。

 

また実際に習慣流産カップルの染色体を調べてみると、夫婦のどちらか片方に均衡型転座がみつかる確率が2~6%であることから、染色体異常が習慣流産に関わっていることもあります。

 

習慣流産のリスクを上昇させる因子のまとめ

りんご

染色体異常

受精卵の段階で生じるものと、両親の染色体異常によるものがあります。日本産婦人科学会では両親の転座型染色体異常に対して胚の着床前診断を認めています。これは体外受精をして受精卵の染色体検査をし、正常な受精卵だけを子宮内に移植し流産を防ぐ方法です。

 

子宮の形態異常

先天的な子宮形態異常(双角子宮や中隔子宮)や、後天的な形態異常(子宮筋腫や子宮腺筋症)などが流産に影響することがあります。自然妊娠をしても流産してしまう場合は手術をして子宮内腔を正常にする必要があります。

 

内分泌系異常

糖尿病や甲状腺機能障害が流産の原因になります。その原因によって治療の方法が違いますので適切に治療し、妊娠に適した状態にしてから妊娠することが望ましいです。糖尿病は妊娠中、出産後も血糖コントロールを意識した生活が大切です。

 

環境因子

喫煙、飲酒、過度のカフェイン、肥満は流産のリスクを上げる要因です。食と生活習慣を見直し、妊娠生活を健康的に送るように意識しましょう。

 

自己免疫疾患(凝固異常)

自己免疫疾患に伴う流産で良く皆さんが耳にするのが抗リン脂質抗体症候群です。血液を固める働きの異常があると体内で血栓が作られやすくなります。それが妊娠中に胎盤内にできてしまうと赤ちゃんに栄養がいかなくなり、流産、死産の原因になります。凝固異常が見つかった場合は特に妊娠中は血栓症のリスクが高まるので低用量アスピリンとヘパリンの併用が推奨されています。

 

道しるべ

このように、流産、不育症の原因は様々ではありますが、検査をしても半分の方は異常なしという結果がでるというのが現状です。妊娠出産、特に着床に関してはいろいろな検査が出てきてはいますがやはり「ブラックボックス」で未知の部分が多いようです。

 

ですから妊娠、出産は奇跡の連続で、子供は天からの授かりものなのだと思わずにはいられません。

 

自分で食と生活習慣を見直して管理できる部分もありますので、日頃から意識して生活することも大切ですね。そして適切な時期に適切な施設を訪れることも子宝には重要なポイントです。わからないことがあればいつでも気軽にご相談ください。

 



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