様々な妊娠、出産のストーリーには実は流産、死産という悲しい出来事も背中合わせです。
私も流産の経験があります。やっとのことで妊娠でき、夫婦で新しい命を喜んだのも束の間、稽留流産という現実の前に立った時は天国から地獄、とても悲しい気持ちになりました。
この記事を読んでいる方の中にもきっと流産経験者がいる事でしょう。実は流産というのは私たちが思っている以上に沢山の方が経験していることをご存じですか?
今回は語られているようであまり語られない、知っているようで実は知らない「流産」について何回かに分けてお伝えしたいと思います。
習慣流産、不育症とは?
3回以上の流産を繰り返す場合を習慣流産、生児が得られない場合を不育症と呼びます。
赤ちゃんを望みながらも流産、早産、死産、新生児死亡などを繰り返し、赤ちゃんを得られない場合を不育症と呼びます。
また流産が2回続いた場合を反復流産、3回以上の場合を習慣流産と呼ぶことが多いです。
最近では流産を2回経験した夫婦を対象に、流産の原因を調べる検査を行う施設が増えているように思います。早めに検査を受けて不安から解消されたい夫婦の希望や、不妊治療専門クリニックでも体外受精で2~3回良好胚を移植しても陰性だと先に不育症の検査をして不安材料を取り除いてから次の治療に進む施設が増えています。
流産とは妊娠22週未満で妊娠が中断されることで、妊娠全体の約15%を占めています
流産は妊娠全体で2割ほどの確立で起きるということです。この2割というのは臨床的な妊娠(子宮の中に胎嚢を確認した後)が確定した後の流産で、自覚しないままの超初期の流産も入れるとかなりの割合になると推定されています。
例えば昔の女性が10人子供を産んでいたら、その間に一回か二回は流産を経験している可能性が高いと考えられます。また主に女性の年齢が高くなれば流産の確立も高くなります。40歳女性の流産率は40%、42歳ですと50%を超えてきます。
着床後2~4週の化学流産を含めると流産率は50%くらいになります
化学流産の大部分は卵子や精子の染色体異常が原因とされています。男女とも加齢に伴い流産率が高くなりますが、その主な原因にも染色体異常が関わっていると考えられています。
胎児の心拍が確認された後では流産率は5%前後に低下します
ごく早期の流産のリスクが高い時期が過ぎ、早い人で妊娠5週後半から胎児の心拍動が超音波で確認できます。妊娠8週でしっかりと心拍が確認できれば流産率は5%前後に低下します。これが9週の壁と言われることなのですね。
流産への対応の目安
1回目の流産→検査不要
流産を1回経験したとしても、その後にまた流産をする確立が有意に高いということはありません。
2回目の流産→場合により検査
2回流産する確率は20人から30人に一人の確率です。35歳以上の場合は限られた時間を有効に使うためにも自己免疫疾患、血液疾患、感染症などの検査をして不安を取り除くというのもストレスの軽減になります。
3回目の以上の流産→要検査
3回連続で流産する確率はかなり低くなりますので3回続けて流産した場合は習慣性流産として原因を調べてその結果に応じて対応していくことが必要になります。
流産宣告を医師からされた時というのは大抵の人は頭が真っ白になり気持ちが上の空になってしまうものです。ですから医師の言葉が良く理解できないことも多々あります。
流産について知ることは、いざという時に自分を守ってくれる最大の武器であり、また周りの方が流産してしまったときには、より深くその方の状態を理解してあげる事ができます。
次回は「流産を経験すると反復して流産を起こす確率は上がるのかどうか?」をお送りします。
流産の話題は悲しい話題ではありますが、誰にでも起こりうる事です。子宝を望むかたにはとても大切なことなのでしっかりお伝えしたいと思います。
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